所長からの今月のひとこと【㉟】~実際にあった労働相談より~

インフルエンザで1回お休みしてしまいましたが、第35回は「個別労働関係紛争の現状」についてです。

1 総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加。

・総合労働相談件数は120万1,881件で、5年連続で120万件を超え、高止まり

2 民事上の個別労働関係紛争における相談では「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多。

・「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は、54,987件(前年度比8.5%減)で13年連続最多

3 民事上の個別労働関係紛争における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「労

働条件の引下げ」の件数が前年度から増加。あっせんの申請においては「解雇」が最多となった。

・「労働条件の引下げ」の相談件数は、30,833件(前年度比2.0%増加)

助言・指導の申出は、1,103件(同7.8%増加し最多)

あっせんの申請は、399件(同5.0%増加)

・「解雇」のあっせん申請は、792件(前年度比0.1%減少。最多)

Press Release

令和7年6月25日(※令和7年10月28日一部数値修正)

【照会先】

厚生労働省 雇用環境・均等局総務課 労働紛争処理業務室

これは今年6月に厚労省が発表した、「令和6年度個別労働紛争解決制度の施工状況」です。

今年度はもっと状況が酷く、東京労働局管内での令和7年10月時点の昨年度比で、あっせん申請は1.6倍強、都道府県労働局長の助言指導1.3倍強、申告の件数もすでに昨年度を上回っているとのことです。

当然、労働相談の件数も昨年を大きく上回っている実感があり、内容も複雑化している印象です。

中でも、「解雇・雇止め」「パワハラ」の相談が非常に多いと思われます。

早めに第三者を入れて労使間で話し合えば大きな問題にならなくて済むケースが多いのも特徴です。

是非早い段階での相談をお願い致します。

よいお年をお迎えください。